東北の先陣を切って、第99回全国高校野球選手権福島、岩手大会が7月7日に開幕します。みちプラでは、地方大会開幕前にみちのく高校野球を大特集! 前編の6県大展望に続き、後編は各県を代表する注目選手10人計60人をリストアップしました。この夏の見どころを、野球記者とデスクの座談会形式で分析し、お届けします。

 デスク(以下デ) 夏本番を前に、だんだんと暑くなってきたな! もうじき高校野球が開幕するけど、記者としてキチンと準備はしてるか? プロも注目している選手が誰か、きっちりリサーチしてるか? 

 記者(以下記) 八戸工大一(青森)の古屋敷匠真投手(3年)が東北NO・1投手で間違いないでしょう。179センチ、80キロと均整のとれた体格から、力のある直球を投げ込みます。

 デ 最速は?

 記 春の県大会準々決勝(弘前東)では9回15奪三振1失点と圧巻の投球を見せました。DeNAのスピードガンでは自己最速を1キロ更新する150キロをたたき出しました。

 デ 東北最速じゃない?

 記 間違いありません。さらに同日に他球団のガンで152キロを計測していたことも判明しました。古屋敷は「夢は甲子園で158キロ出すこと」と強気に宣言しています。

 デ 打者なら誰だ?

 記 いわき光洋(福島)の4番園部佳太内野手(3年)が春から急成長しました。3月からわずか約3カ月で20本以上を量産し通算48本まで到達しています。

 デ 急成長の理由は?

 記 冬場の筋トレで3月にスイングスピードが147キロを計測。ヤクルト山田哲人の高校時代に記録した154キロに迫る速さです。

 デ 山形にも大砲がいたよな。

 記 山形中央の大泉周也外野手(3年)のことですね。175センチと上背はないですが、85キロの長距離砲です。庄司秀幸監督(41)は2年前にドラフトされた先輩の広島青木陸と比較し「レベルは2つ3つ上。引っ張った時の打球はすごい」と絶賛しています。通算50発以上もうなずけます。

 デ ともに公立勢の強打者だな。公立の投手で、目立った存在はいるのか。

 記 今春最大の衝撃は仙台(宮城)の左腕佐藤隼輔(3年)です。仙台育英との春の県大会2回戦では最速144キロを計測し、プロ9球団19人のスカウトが集結。ただ本人は進路に冷静で「進学を前提に考えて、プロに行ければ」と慎重な姿勢を貫いています。

 デ 仙台育英や東北と堂々わたり合って、プロに行ってもらいたいね。そういえば、春前にお前が騒いでいた剛腕たちは今、どうしてるんだ。