１０人の短すぎる夏が終わった。１、２年生部員のみの洛水が、同志社に７回コールドで敗れた。

　「挑戦するだけ。怖がることは何もない」。坂拓典監督（２６）の言葉通り、初回から果敢に戦った。先頭の鈴木椋河主将（２年）が左越え二塁打を放ち、チームに勢いづけた。３回にも得点圏に走者を進めた。だが、あと１本が出なかった。

　部員２人からの挑戦だった。新入生が入るまで、選手は現２年の２人だけ。練習も思うようにはいかなかった。「２人の時はティーバッティングや基礎メニューしかできなかった」と鈴木。実戦形式は、他校との合同練習や試合でしか経験できなかった。

　学校側も奮闘する２人を後押し。今春新入生に野球部の現状を説明し、入部を呼びかけた。その結果、８人の仲間が加わった。「１年生に感謝しています」と鈴木。限られていた練習の幅は広がった。バント練習にノック。やらせてもらっていた野球は、やれる野球になった。喜びをかみしめた。

　初の公式戦。結果はコールド負けだが、坂監督は「勝ち負けよりも、９回まで野球がしたかったはず。今日が第１歩。歴史をつくっていきたい」とうなずいた。中川瑞希投手（１年）も「秋は絶対初戦を取る」と早くも気合をにじませた。【望月千草】