天理(奈良)の27年ぶり決勝進出はならなかった。

 6点を追った9回、先頭からの5連打を足掛かりに3点を返し、春夏3度の甲子園制覇を誇る強豪らしい粘りを見せたが、最後は頼みの山口乃義(だいき)内野手(3年)が空振り三振に倒れた。

 エース碓井涼太(3年)が広陵の中村奨成捕手(3年)に、1大会の最多5本塁打を更新するアーチを浴びた。自身も天理での高校時代に甲子園でアーチを放った中村良二監督(49)は「中村君は本当にすごい。清原さんの記録を抜いたんでしょう。時代の流れですね。うちの選手にもホームランが出たし」と本塁打量産の大会を振り返りながらも「すごく雰囲気があった。打撃も中村君、守備も中村君、何かことがあれば中村君。で他の選手が見劣りするかといえば決してそうではない。広陵は素晴らしいチームだった」と相手をたたえた。

 その上で「昨年を考えれば、まさかまさかです。天理らしい野球をやってくれた。選手を成長させてくれる場所でした」と27年ぶりの4強進出と大きな結果を出した後輩ナイン、そして甲子園に感謝した。