今秋ドラフトの超目玉、早実(西東京)清宮幸太郎内野手(3年)が2日、東京・国分寺市の同校で、広島、日本ハムを除く10球団と面談した。ラグビー・ヤマハ発動機監督の父克幸氏(50)、母幸世さん、野球部の国定部長とともに、球団の施設や育成方針などを聞いた。DeNAとの面談では筒香の進化の過程を質問。ソフトバンクからは王球団会長の現役時の成績も例に出されるなど、期待の大きさを示された。26日のドラフト会議へ向け「清宮フィーバー」が本格化する。

 2球団目のDeNAとの面談だった。早実・清宮は「球界屈指の大砲」筒香の名を挙げ、進化の過程を質問した。出席したDeNA吉田孝司スカウト部長は「筒香がどういう風にして、ああいう風になったんですかと聞かれた」と明らかにした。10球団の出席者らによれば、清宮自ら選手の名前を挙げたのは筒香だけだったとみられる。同じ高卒で左打者のスラッガーの進化論は、進路表明会見で掲げたソフトバンク王球団会長の通算868本塁打にはマストだった。

 面談で積極的に聞いたのは、施設等の環境面だった。早実では、ウエートトレーニングと体幹の強化に力を入れた。肉体改造が実を結び、史上最多の高校通算111本塁打を放った。楽天長島スカウト部長には現在もジムでウエートトレに励み、プロ入りに向けた練習を継続中であると説明。同部長からは「松井裕、オコエ、安楽、藤平ら若い選手がこれから主力に育っていく。その仲間入りをして、常勝チームの一員に」と期待された。

 各球団から、独自の「大砲育成プログラム」を提示された。西武からは秋山、中村ら高卒スラッガーの育成法を記した「虎の巻」を参考資料に提出された。ヤクルトからは同じ高卒野手で、2年連続トリプルスリーを達成した山田を例にした「育成論」でアピール。ソフトバンクからは王球団会長が30発を超えたのは4年目からと育成期間の大切さを説かれ、柳田の成長過程も説明された。ロッテからも同じ高卒の福浦らを例にした清宮専用の冊子が手渡された。

 面談は非公開で実施されたが、異例の「清宮詣で」に学校周辺は「清宮フィーバー」に包まれた。午前9時30分開始のオリックスを皮切りに、午後5時終了のロッテまでの約7時間30分の間にテレビカメラを含めた大勢の報道陣が集結。学校周辺を通った人がツイッターで様子を実況するなど、清宮の注目度の高さを示した。【久保賢吾】