第70回秋季高校野球静岡県大会の決勝と3位決定戦が今日7日、静岡・草薙球場で行われる。静岡市立(中部5位)は、36年ぶり2度目の東海大会(21日開幕、愛知県内)出場を懸けて常葉大橘(中部2位)との3位決定戦に臨む。5番菊場想太捕手(2年)が攻守の要で、力強く意気込みを語った。「楽しみです。橘は投手もそろっているし、打撃も県トップレベルですが、僕らにとっても甲子園へのチャンス。絶対に負けられない」。

 178センチ、78キロ。新チーム発足時は4番に座るなど力強い打撃が持ち味だが、準決勝の静岡戦ではスクイズを含む3つの犠打を決めるなど小技もある。「周りにいい打者が多いのでつなぐ意識が大切。勝負どころで1本打ちたいです」。捕手としても右腕エース森田健介と左腕渡辺幹樹の1年投手2人を巧みにリードしている。「1年なので、声掛けで気持ちを楽にして、いいところを引き出してあげたいです」。今春からチームを率いる安井信太郎監督(53)からも「副将としても人望もあるし、投手を精神的にもリードしている」と高評価を得ている。

 チームとしての躍進もめざましい。旧チームの公式戦白星は、今夏の1回戦突破のみだったが、新チーム初公式戦の今秋は中部地区大会から好調で、県大会では2回戦の掛川東戦、準々決勝の日大三島戦で2戦連続サヨナラ勝利。静岡戦でも終盤まで接戦を演じた。「勝つにつれてモチベーションも上がってきたし、勢いもあります」と菊場。築いた自信を胸に、静岡市立が最後の東海切符をつかみに行く。【鈴木正章】