21世紀枠で出場の由利工(秋田)が強豪の日大三(東京)を相手に健闘したが0-5で敗れた。

 あこがれの甲子園で最速142キロをマークしたエースの佐藤亜蓮(3年)の目に涙はなかった。強打の日大三打線を相手に3回まで1安打無失点の好投。4回にソロ本塁打を浴びるなどして2失点。6、7、8回にも失点したがいずれも1点ずつと最少失点に抑えた。

 「負けたけどうれしかった。打たれても楽しかった」。すがすがしい表情で佐藤亜は話した。

 「調子は悪かった」という。「悪くても5点に抑えられた。これを強みにしたい」。

 試合終了後、一塁側アルプス、三塁側の日大三アルプス、さらにネット裏に向かって礼をした。

 「甲子園でいい経験ができた。秋田に持ち帰って、夏に優勝して戻ってきたい」。

 甲子園の土は持ち帰らなかった。「他の球場と変わらないと思ったし今日はいいかなと。夏にもう1度来て今度は泣きながら拾いたい」と最後は報道陣を笑わせて甲子園から去った。