明治維新150年は“維新の祖”にならう。第57回春季全道高校野球釧根、北見、函館地区の組み合わせ抽選が1日、行われた。釧根地区で2年ぶり春全道切符を狙う釧路江南は、釧路北陽との対戦が決まった。冬場に2、3年生全員が幕末の思想家・吉田松陰の語録をまとめた本から好きな言葉を選びスピーチ。死を前にしても揺るがない松陰流の覚悟を心に刻み、春の躍進と、77年以来41年ぶり夏の甲子園につなげる。
釧路江南が幕末の異端児、吉田松陰の教えを胸に、春の戦いに挑む。昨秋は地区初戦で釧路明輝に敗戦。主将の秋田理玖三塁手(3年)は「秋はすべてが未熟だった。この冬はお互いの考え方や気持ちを見つめ直すところから始めた。その成果を春に発揮したい」と気を引き締めた。
昨秋まで5季連続の地区敗退だった。14年に中標津中を全国中学準優勝に導いた楓川(もみじがわ)卓也監督(44)は感じた。「みんな心根が優しく素直だが、強さが足りない」。国語教員として、きっかけ探しに書店に出向くと、1冊の本が目に飛び込んだ。「覚悟の磨き方 超訳吉田松陰」。「これだ」。部員34人分の購入を決めた。
12月に本が届くと、冬休み期間に、本の中の名言集から、最も感じたものを選ぶよう指示。年明け1月、各自の解釈を込めたスピーチを全員に課した。1人目は主将の秋田。「好かれようとせずに尽くす」を選んだ。「主将として、相手が嫌なことも言わなければならない。そういうことが自分には足りていなかった」。3分間のスピーチ後、拍手がわき起こった。
続く副主将の三浦駿太郎三塁手(3年)は「感動は逃げやすい」をチョイスした。「課題が出たとき、すぐに取り組めない自分を戒める言葉だった」。同じく副主将の伊藤蒼史右翼手(3年)は「結果じゃない」を選んだ。「結果に焦り、気持ちだけ空回りしていた自分に気がついた」。それぞれが抱える課題を共有することで、選手間の指摘は、より的を射たものになった。
「すべて松陰が死を覚悟して発した言葉。僕らも春の先に最後の夏がある。覚悟を固め、信じ合いやり抜く」と秋田。腹はくくった。恐れない。ただひたむきに志に向かって突き進む。【永野高輔】

