青森県大会では、八戸学院光星が県大会4季連続優勝中だった青森山田を8-1の7回コールドで下し、4強入りした。エース右腕・福山優希(3年)が散発6安打で1失点の好投。4番東健太郎外野手(3年)が5回の満塁機で3点二塁打を放つなど打線も奮起し、ライバルの県V5を阻止した。

 福山が昨夏決勝のリベンジを果たした。青森山田を相手に6回途中から救援登板も9回に2点二塁打を打たれ、3-5で敗れた。今春も地区大会で八戸工大一に打ち込まれるなど不振が続いた。仲井宗基監督(48)に「もっと気持ちをしっかり持て!」と助言され、この日の雪辱戦に臨んだ。

 時折帽子を飛ばすダイナミックなフォームで、気迫をみなぎらせた。最速144キロの直球と変化球を投げ込み、「シングルヒットならいいかという気持ちでなく、攻めて抑えたかった。気合を入れた」と向かっていった。仲井監督は「今日の福山は気迫があった。打線に勢いをつけてくれた」と目を細めた。

 4番東は5回裏2死満塁から走者一掃の右中間二塁打を放ち、4-0として勝利に導いた。これが今大会初安打。冬場の猛練習でスイングのスピードは速くなり、3月の関西遠征の練習試合では130メートル級の本塁打を放つなど、打球の飛距離も伸びた。だがシーズンに入ると結果が出ず、「光星の4番というプレッシャーはない。やるしかないという気持ち」。ライバル青森山田との大一番で、見事に4番の責任を果たした。

 16年夏の甲子園後は、4季続けて県優勝から遠ざかった。この間、青森山田にV4を許し、直接対決では2度(16年秋、17年夏)敗れた。甲子園では11年夏から3季連続準Vなど輝かしい歴史を築いていたが、最近は「光星どうした?」の声が聞かれたのも事実だ。

 仲井監督は「負け癖を引きずっていた。払拭(ふっしょく)するには勝つしかないとミーティングで言った。そうした意味では、大きな1勝」と声に力を込めた。「優勝でなければ初戦敗退と同じ」といわれる宿命を背負い、苦しみから再びはい上がってきた。【北村宏平】