第100回全国高校野球選手権記念新潟大会の組み合わせ抽選会は16日、新潟テルサで行われた。参加は79校、3合同の82チーム。2年連続で、主将がクジを引いた。昨秋の4強校・北越と新潟明訓が1回戦(9日10時・柏崎市佐藤池野球場)で激突するなど、初戦からヒートアップ必至の組み合わせになった。大会は7月7日に開幕。優勝候補の筆頭は第1シードの日本文理だ。

 一般開放した会場がザワついた。北越の主将・星野悠外野手(3年)が64番クジを引いたときだった。対戦相手のポジションには新潟明訓の札が下がっていた。昨秋の4強校同士がいきなり初戦でつぶし合う巡り合わせに、どよめきが起こる。ノーシードの抽選が始まって39番目の北越・星野主将が引き当てたクジが、第100回の記念大会を熱くさせることを不可避にした。

 もっとも、2人の主将は冷静だった。「甲子園に行くか行かないかの2択だけ。だから1回戦の相手は気にしない」と北越・星野主将は言った。視野に入れているのは両校とも甲子園。新潟明訓の主将・阿部竜也内野手(3年)も「7試合戦って、甲子園に行くのは決めたこと」と、1回戦を優勝するための過程と考えていた。初戦に勝ったチームが台風の目になって、大会をかき回しそうだ。

 北越は昨秋の北信越大会2回戦で、センバツに出場した星稜(石川)と延長12回に及ぶ激闘を演じ、5-7で敗れた実力校。今春は第3シードながら、開志学園に4-11の8回コールドで大敗した。春は実力を出せずに消えただけに、夏に挑む思いは強い。「最高のパフォーマンスを出したい」と北越・星野主将は言った。今春、初戦で東京学館新潟に1-6で負けた新潟明訓の阿部主将は、気迫充満のチーム状況をこう明かした。「みんな勝ちに飢えている」。静かな口調の中に、両主将は闘志をあふれさせていた。【涌井幹雄】