札幌地区で代表決定戦が行われ、札幌山の手が札幌東陵を5-1で下し、3年ぶりの南北海道大会出場を決めた。2日連続の降雨ノーゲームを経て、3連投の左腕エース柳沢和輝(3年)が4安打1失点(自責点0)で完投し、勝利に導いた。南北北海道の全32代表が出そろい、南北とも明日6日に組み合わせ抽選が行われる。南大会は15日に札幌円山で開幕する。

 札幌山の手が3日がかりの戦いを制し、15年以来2度目の南大会切符をつかんだ。2日の午前11時の試合開始から、降雨ノーゲームが2日間続き、この日の試合終了が午後1時20分。50時間20分かけての代表権獲得に原昇平監督(34)は「疲れました。やっている選手はもっと疲れているはず。やっと終わりました」と安堵(あんど)した。

 勝利の立役者はエースの柳沢だ。3日連続の先発で5安打1失点(自責0)の完投。打っては2回、2点目となる左前適時打を放った。「2戦目より3戦目の方が疲れがあった。2回で体のキレがなくなった。とにかく腕を振っていこうと意識して投げました」。2戦目の後、6月に発症した左肩痛が再び出たため、この日は痛み止め服用で投げきった。

 自称雨男で「僕が学校に行こうとすると雨が降りだしたり、試合に向かおうとすると急に降り出したりはよくありました」と言う。1戦目が7-0の5回途中で中止。リードしながらの降雨ノーゲームにも心折れることはなく「天気は仕方がない。2戦目とか3戦目とか考えず、これが1戦目のつもりでやることを心がけた」と振り返った。

 南大会では3連覇中の王者北海への雪辱を期す。昨夏は地区2回戦で0-9、今春は代表決定戦で0-10と完敗している。「春も大敗して、こんな投球じゃ勝てないと、1日1日大事にしてきた。もし対戦したら、今度こそしっかり投げたい」。再々試合を勝ち抜いた忍耐力を生かす。

 今夏、山田勇部長(44)が道高野連からの派遣審判員として甲子園に立つことが決まっている。柳沢は「甲子園に出るのは簡単なことじゃないけど、山田先生が行くわけだし、自分たちも一緒にいかないと。そういう気持ちでやってきた」と強い口調で話した。雨ニモマケズ-。辛抱強く勝ち上がった札幌山の手が、初の聖地を狙う。【永野高輔】