旭川地区で代表決定戦2試合が行われ、旭川大高、旭川龍谷が勝ち上がった。南北北海道の全32代表が出そろい、南北とも明日6日に組み合わせ抽選が行われる。北大会は14日に旭川スタルヒンで開幕する。

 旭川大高が7回コールド勝ちで、3年連続22度目の北大会出場切符を得た。プロ注目右腕、エース沼田翔平(3年)はリリーフ登板で自己最速を1キロ更新する146キロを記録し、2回2安打無失点で4三振を奪った。「初戦(留萌戦で1回無失点)よりまとまっていたので少し自信になった。(北大会を)決められたのでホッとしている」と喜んだ。

 5点リードの6回から登場すると、140キロ台の力強い直球で3者三振に切った。7回は内野の間を抜けるゴロで2安打を許すが、最後は冷静に遊ゴロで締めた。「6回の制球は完璧。だけど少しずつ球が浮いてしまった」と反省点。日本ハム白井康勝スカウトは「北大会でどんな投球をするのか期待できる内容」と楽しみにした。

 今春、旭川実との代表決定戦で先発して2回4失点しチームも敗退した。昨秋全道準V校に「戦う前から心を動かされて負けてた」。必要なのは平常心。精神面を強くするため、あらゆることを自分と結びつけ教訓とした。5月には学校が落語家・林家とんでん平の講演会を開催。師匠である初代・林家三平から激励されるエピソードに、沼田は「何回負けても挑戦する気持ちを持たないといけないと思った」。春から夏にかけては、スポンジのようにどんなことでも吸収してきた。

 2年生エースとして臨んだ昨夏の北大会は準決勝で涙をのんだ。「一番上を目指している。1日1日を1つでも良くなるように準備したい」。成長を続けるエースが9年ぶりの聖地に導く。【西塚祐司】