栃木農先発の斉藤幸輝投手(3年)は延長12回、167球の熱投が報われず初戦敗退に終わった。

 あと1人抑えれば、栃木大会史上初のタイブレーク突入の12回裏2死。黒磯南・大越聖人捕手(3年)へ内角低めに投じたストレートをすくい上げられた。打球はぐんぐん伸び、右翼席へ飛び込む痛恨のサヨナラ本塁打となった。

 「最後まで自分が投げようと思っていきました。勝てなくて申し訳ないし、悔しいです」と声を詰まらせながら話した。

 身長168センチ、体重60キロと小柄な右腕。真っすぐは120キロ台だが、緩急をつけて打者のタイミングを外すスタイルでチームを引っ張ってきた。「こんな頼りない自分についてきてくれてありがとう」。涙をぬぐいながら、チームメートに感謝した。