日大三(西東京)の中村奎太投手(3年)が、投打でチームを救った。杉並に2回までに3点を奪われ、嫌なムードが漂いかけたが、4回に中村の二塁打を足掛かりに一気に同点。6回には3安打目となる逆転の適時打を放った。「試合への入り方など、初戦の難しさを感じた。(逆転打は)何とか流れを変えようと思った」。7回無死一塁からは中堅から救援し、3回を無失点で締めた。小倉全由監督(61)は「本当によく打った」とたたえた。

 今春のセンバツの教訓を生かした。三重戦では先発の井上が3点を失った6回に中村への交代を考えたが、準備不足で続投を選択。継投が遅れ、大敗した。その反省から、序盤からイニング間の外野でのキャッチボールの強度を上げ、「いつでもいけるように」準備。この日はイニング途中の登板に対応した。目標は自らと同じエース&中堅の「二刀流」で主軸を務めた、同校で1学年先輩だったDeNA桜井。投打でけん引し、春夏連続の甲子園出場へと導く。【久保賢吾】