千葉商大付の染谷希一監督(64)が「約束の無精ひげ」を伸ばしながら4回戦進出を決めた。

 2回戦で優勝候補の専大松戸を破るジャイアントキリングを達成。「一番最悪のことを考えていたが、その通りになった。専大松戸に勝って気が抜けること」と3回に2失点して同点とされると、4回には1点を勝ち越された。それでも追い付き、終盤は着実に追加点を挙げて振り切った。

 染谷監督のあごや口元には白髪交じりの無精ひげが伸びる。ベンチを外れた19人の3年生とともに、13日の初戦から験を担いで剃っていないという。ただ18歳の若者たちとは伸びる“スピード”が違う。「こっちばっかり伸びる。こんなに汚い顔じゃ、飲みにも行けない」と豪快に笑った。

 駒大の2年後輩で、オリックスで監督を務めた石毛宏典氏(61)が14年からテクニカルアドバイザーを務める。月1度のペースで指導を受け、大会直前には2日連続で練習試合に訪れるなど、同校の強化に携わってきた。

 染谷監督は「バッティングが良くなったのも石毛のおかげ。オレが怒られることもある」と感謝する。この日は9回から登板したエース砂川陸投手(3年)が3者連続三振に切るなど、投打ともに順調な仕上がりを見せる。染谷監督の無精ひげをまだまだ伸ばそうと、選手たちも一戦必勝の構えで集中している。