第100回全国高校野球大会(8月5日開幕、甲子園)に出場する南北海道代表の北照が29日、奈良・生駒市内の屋内施設で、関西入り後、初の全体練習を行った。玉置辰伍(しんご)一塁手(3年)は、北海で昨夏の甲子園に出場し、DeNA入りした阪口皓亮投手(18)の母方の親戚。小中学時代のチームメートでもある兄貴分が果たせなかった夏1勝を心に誓った。

 ともに大阪市大正区にある2人の実家は徒歩10分の距離にある。1歳違いの阪口について玉置は「よく家に泊まっていてアニキみたいな存在だった」と言う。昨夏の甲子園で自己最速148キロをマークした阪口の姿を、うらやましく見ていた。玉置は元来、アイドルグループのSMAP入りを本気で考えたことがあるほど目立ちたがり屋な性格。「夏1勝につながる一打で北照の歴史を変え、(初戦敗退の)コウスケを超えたい」と対抗心を燃やしている。

 南大会では7番を打ったが、地区予選までは3番打者で通算10本塁打。長打力を備え、上林弘樹監督(39)は「第2の4番」と呼ぶ。決勝戦でサイクル安打を達成した4番岡崎翔太(3年)で1度走者をかえし、玉置で再度得点を生み出す。ここまでは岡崎や、4試合完投の左腕エース原田桂吾(3年)が注目されているが、玉置は「甲子園では自分も勝利に直結する働きを」と主役を奪う気持ちでいる。

 実兄の翔太さん(大商大1年)は昨夏、日本文理の同行部員で関西入りも、登録選手には入れなかった。「兄には思い切ってやってこいと言われた」。兄の期待を背負い“アニキ”超えを目指す。【永野高輔】