高校野球秋季近畿地区大会の準々決勝3試合が28日、ほっともっとフィールド神戸で行われた。智弁和歌山(和歌山1位)が、今年の甲子園で春夏連覇を果たした大阪桐蔭(大阪2位)に勝ち、4強入り。来春のセンバツ出場に当確ランプをともした。

勝利の瞬間、智弁和歌山・中谷仁監督(39)は両手で力強くガッツポーズした。今年の8月に監督に就任し、指揮官として初の聖地に大きく前進。「本当に高嶋先生が育ててくれた選手が躍動して勝って、高嶋先生のチームが勝ったのと同じです」。試合後真っ先に出てきたのは、前任の高嶋仁名誉監督(72)の名前だ。試合を見守った名将は「今しか勝てんからなあ」と言いつつも笑みをこぼした。

初回に先制を許すも、2回に一挙4得点のビッグイニングを作りそのまま逃げきった。大阪桐蔭には、17年春の近畿大会から今春の近畿大会まで5連敗。主将の黒川史陽内野手(2年)は、広島にドラフト3位で指名された林晃汰内野手(3年)から「勝てよ」と託されていた。「やっと勝てたというか、一番勝ちがいのあるチーム」と待望の勝利となった。

阪神や楽天などで活躍した中谷監督について、黒川は「いろいろな角度から教えてくださる。準備はプロ野球選手も怠らないと教えてもらいました」と話す。「(大阪桐蔭は)当確ラインの大きな壁だと、組み合わせを見た時に思っていたので、勝てて良かったなと思います」と中谷監督。ライバル相手に大きな1勝をあげた。【磯綾乃】