ノムラ、イイネ~! 日刊スポーツの新企画「ドラフト候補生全員!? 会いに行きます」の第6回は、山梨学院・野村健太外野手(2年)だ。12日の東海大相模(神奈川)との練習試合(東海大相模グラウンド)ダブルヘッダー第2試合で、逆転満塁弾を含む2本塁打6打点。「山梨のデスパイネ」がセンバツを前に大暴れした。

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ネット裏にいた山梨学院コーチの小倉清一郎氏(元横浜高部長)は「筋書きどおりにはいかんわな」と、つぶやいた。11-14の9回表2死満塁で4番野村。1発逆転だが、さすがに…。どっこい、カウント2-1から高め直球をスイング。「少し詰まり気味だったけど、うまく打てました」と逆方向へかっ飛ばした。右中間フェンスを越える高校通算37号が、人生初の逆転満塁弾。1-10と大敗した第1試合の借りを返した。

野球を知り尽くすコーチの想像を上回った。7回裏終了時で6点リードを許していた。もう1失点でコールド負けの土俵際で、反撃ののろしも野村の1発だった。8回1死一塁、カウント1-2でバックスクリーン左へ2ラン。浮いたチェンジアップを捉え、9回の大逆転へつなげた。

勝利の立役者は手放しでは喜ばなかった。「打てば長打のボールでした」と悔やんだのは、第1試合の初回の打席だ。1死一、二塁で、1ボールから2球目、甘い変化球に手が出ず見逃しストライク。最後は四球を選んだが、主砲として決めたかった。2試合全11打席で第1ストライクを見逃したのが7打席もあった。「第1ストライクから打つよう意識してます。課題です」。追い込まれても長打が出るのは強みだが、反省も忘れなかった。小倉コーチからはテークバックが大きすぎてドアスイングになっていると指摘された。積極性を取り戻し、もっと暴れてみせる。【古川真弥】

▽山梨学院・吉田監督(野村に)「気持ちよく(甲子園)大会に入ってもらえれば。(状態は)プラス、マイナスあって60~70点。キレのある投手を打てるか」