習志野の二塁走者が打者にコースなどを伝達していたのではないか、ということについて、試合後、窪田哲之大会審判副委員長(62)と若林浩大会審判委員幹事(60)が報道陣の取材に応じた。(以下、敬称略)
-サイン盗みを認定したのか?
窪田 (星稜の)キャッチャーが、審判団が集まる前に「サインを盗んでいるようです」と球審の北田君に言ったみたいです。そのあと(星稜)ベンチの方のしぐさもあったので、審判団4人を集めて確認しに集まりました。そういうことをしていると判断するに至らず、キャッチャーに判断できなかったと伝えた。キャッチャーはベンチの(林)監督にしぐさで伝えた。キャッチャーは、(林監督から)分かったという動作があったということで、プレーを再開しました。
-キャッチャーからのアピールはいつ?
窪田 集まる少し前だと思います。前の段階で1度、キャッチャーが言っています。
(北田審判に確認後)
窪田 キャッチャーが北田君に「サインを盗んでいるようです」と言ったタイミングは、走者が初めて二塁にいった4回の1アウト二塁で4番バッターの時です。その時にキャッチャーから、北田君に言っているみたいですね。何球目? 高橋君の打席の時です。何球目かは分かりません。
-なぜ、あのタイミングで審判団が集まった?
窪田 (星稜)ベンチから、そういうしぐさを感じとれたので。それと、事前にキャッチャーから北田君にアピールあったので、伝えに言った。
-どういうしぐさ?
窪田 身ぶり、手ぶりということですけども、具体的には北田君に聞いてみないと分からない。
(北田審判に確認)
若林 林監督の動作、しぐさですが、場面は4回の表、8番兼子君、彼が2アウト満塁で初球ファウルを打った後に、林監督が指をセカンドの方に指してるんで、それを大きな声で「セカンドランナー」と言って、それを北田球審が見て、これは確認を(しないといけないと思った)。今まではキャッチャーからばっかりだったんで、初めて監督がこういう風に指したんで、4人集まって確認したという次第です。
-その後、ランナーの様子は気を付けて見ていた?
窪田 普段、ランナーの様子は球審の視界に入ったら見てます。
-習志野側に何か言った?
窪田 二塁塁審が、集まった後に「バッテリーがサインを出した後に紛らわしい動作はしないで」と、二塁ランナーに声をかけました。
-紛らわしい動作は4回以降はなかった?
若林 4人の審判は、その後もセカンドランナーは注視している。それは、なかった。4人では4回以降、確認できなかった。星稜からは、それ以降は北田や塁審の方に「まだやってますよ」はなかった。試合が終わった後も確認しています。
-星稜の林監督は強い意志で抗議している。今後、この問題を取り上げることは?
窪田・若林 ありません。
-制度的に、星稜から何かあって、判断が変わることはあるのか?
窪田 ないと思います。
-異議申し立てはできない?
窪田 分かりません。過去にはないですね。1回も。
-今日のゲームを改めて録画で見る可能性は?
窪田 今のところは、そういうことで終わってますから。現段階では。
-紛らわしい動作は、4回以降は確認できなかったということだが、それ以前も紛らわしい動作はあったのか?
若林 なかった。(二塁まで)ランナーが出たのが4回が初めてだったので。
-何もなかったというのは最終決断なのか? 星稜から要請があれば、検証する可能性はあるのか?
窪田 最終結論です。
-ビデオで見直してくれと言われても?
窪田 今まで学校側からビデオで見直してくれということはありませんので。お答えのしようがない。想像もしていない。
-前代未聞。今までやらなかったからって、ほったらかしでいいのか?
窪田 ほったらかしではない。もしあれば、でしょう。あれば、その時に対応すると思いますけど。現段階では、なかったというのが最終結論です。