全国高校野球選手権大会が100回大会を迎える2018年夏までの長期連載「野球の国から 高校野球編」。名物監督の信念や、それを形づくる基点に迫る「監督シリーズ」ラストを飾る第16弾は、横浜(神奈川)を率いた渡辺元智さん(73)です。生きるために野球を始め、1965年のコーチ就任から始まった指導者生活は、2015年夏に平田徹新監督(34)に託すまで半世紀に及びます。春夏通算5度の甲子園優勝は名将の指導力の結晶といえます。その原点を全5回でお送りします。

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約半世紀の指導者人生について語る横浜(神奈川)元監督の渡辺元智氏
約半世紀の指導者人生について語る横浜(神奈川)元監督の渡辺元智氏

◆渡辺元智(わたなべ・もとのり)1944年(昭19)11月3日、神奈川県生まれ。横浜(神奈川)では3番中堅手。3年夏は県4強。神奈川大から65年に母校コーチを務め68年に監督就任。98年には中日松坂らを擁し甲子園春夏連覇、国体も制し史上初の3冠を達成。高校日本代表監督を3度務め94年アジア選手権大会を優勝。甲子園には春夏計27度出場し歴代3位タイの51勝を挙げた。15年夏の神奈川大会を最後に勇退。家族は紀子(みちこ)夫人と2女。明大野球部に所属する孫の佳明とも甲子園に出場した。