龍谷大平安の奥村真大内野手(2年)が先制の適時打を含む3安打を放ち、7回コールド発進を決めた。

初回2死一、二塁で、インコースの直球を左前にはじき返した。「チャンスが好き。打ってやろうと思った。チャンスで(打順が)回ってきたのがうれしかった」。初戦のチームの緊張を吹き飛ばす先制に原田英彦監督(59)は「奥村のタイムリーは素晴らしかった」と絶賛した。

奥村は持病で不整脈を患い、1月に心臓カテーテルを入れる手術をした。春の選抜は出場したものの、その後の府大会は体調不良で欠場した。「家族だけでなく、監督など指導者の方が気を使っていくださっている。感謝している」と語った。府大会はアルプスから応援していたが、「やっぱり自分で打ったり、守ったりする方が好き」と自身の復活に満足げだった。

奥村の兄はヤクルトの展征内野手(24)。父は甲西(滋賀)の前監督の伸一氏(50)。兄は日大山形、父は甲西の選手として甲子園で本塁打を打っている。真大が甲子園で打てば「父子3人」での甲子園本塁打達成となる。試合の朝、父伸一さんからメールで「3年生のためにやってこい」とハッパを掛けられた。兄展征については「兄ちゃんを超えたい」と目標の存在だ。

この日は4打数3安打。「目標10割だったんですけど、もう無理ですね。5割をキープするのが今の目標です」。頼もしいコメントを残して次戦に向かう。【南谷竜則】

 

◆奥村真大(おくむら・まさひろ)2002年(平14)6月18日、滋賀県生まれ。野球は小学生時代に三雲東スポーツ少年団で始める。中学では草津シニアで関西選抜、滋賀選抜を経験。龍谷大平安では昨夏京都大会からベンチ入り。50メートル6秒4。遠投100メートル。180センチ、75キロ。右投げ右打ち。血液型A。