流行にとらわれない。開幕直前に監督交代をした中大杉並は、意識改革に成功し8回コールド勝ちを収めた。

初回に4安打で4点、2回にも3安打で2点を挙げ、順調な立ち上がりを見せた。低く強い打球で、次々と外野にボールを運んだ。

そのきっかけは、同校OBの阿部徹監督(51)の就任だった。4月からコーチ、6月に監督となった。就任からまだ1カ月もたっていないが、選手の意識は変わった。前監督は「フライボール革命」の流れに乗るように、ボールを遠くに飛ばす打ち方を指導した。しかし、阿部監督は方針をガラリと変え「打球の高さに制限をつけ、とにかく低い打球を意識させた」と語る。さらに、練習時間の配分など選手自身で考えさせる機会を増やした。

選手たちは変化を受け入れた。主将の冨島悠介捕手(3年)は低いライナーを意識し、初回先頭打者で三塁打、2回にも二塁打を放った。「フライアウトが減ってきた」と効果を実感する。2度の満塁の守備の場面でも、ナインは積極的に声掛けをしてピンチを切り抜けた。

14日の3回戦は、小川と学芸大国際の勝者と対戦する。連戦となるが、冨島主将は「最後まで自分たちの野球をして勝ちます」と誓った。【飯岡大暉】