日本文理は新潟県央工に5-0の快勝。主将の2番長坂陽遊撃手(3年)が先制の犠飛など2打数2安打3打点と要所で仕事をした。

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頼れる主将が仕事をした。「後ろにつなげればいいと思って打席に入った」。日本文理・長坂はその意思を形にした。5回裏1死一、三塁のチャンス。右犠飛で先制。さらに7回裏2死一、二塁では「来た球に自然と反応した」と左中間へ2点三塁打。勝負どころできっちりと打点をあげた。

「チャンスで1本打つ」。試合前、選手で話し合い意識を高めていた。「その中で自分が打てて良かった」と笑う。「長坂がしっかり決めてくれた」と鈴木崇監督(38)も手放しでたたえた。初戦の新発田中央との2回戦(11日)、長坂は5打数3安打だった。ただ「3安打より、打てなかった2打席に悔いが残った」。凡退した2打席はいずれも得点圏に走者を置いた場面。この日までの中2日、試合を意識し、打撃練習を繰り返していた。

2年ぶりの王座奪還へ1歩近づいた。昨夏、大本命と目されながら4回戦で新潟に敗れた。その試合、長坂はスタメンだった。悔しさは今も残る。だからこそ気持ちを引き締める。「目の前の一戦に集中する」。長岡商との4回戦に全力を傾ける決意を示した。【斎藤慎一郎】