3年ぶりの甲子園を狙うクラークの決戦は金曜日…ではなく土曜日となった。正午すぎから雨が降り始め、開始予定の午後1時には強くなっていた。準備万全の両チームはベンチで待機したが、その45分後に順延が決まった。

2年生エース右腕、浦崎翔投手は「疲れがたまっていたので良かったと思います」と、20日に仕切り直す決勝を見据えた。

恵みの雨となった。今大会、浦崎は準決勝まで3戦すべてに先発。20回1/3で331球と、旭川大高エース能登より球数は倍近く投げている。18日準決勝の武修館戦では7回1死から2連打後に2連続四球を与え1点を失った。降板直前には自己最速を更新する144キロをマークしたが「さすがに疲れていました」と制球が定まらなかった。順延のおかげで「1日空くので疲れが取れると思います」とうなずいた。

100%の状態を目指して体をケアしている。77球を投げた初戦の帯広農戦後は佐々木達也部長(35)に右腕をマッサージしてもらった。準決勝後は疲労回復を促進するとされる酸素カプセルを初めて使用。約1時間入ってリフレッシュした。競輪選手の父貴史さん(47)からは日頃から「回復にはアミノ酸が良い」と助言を受け、この日アミノ酸のゼリードリンクを握りしめて帰りのバスに乗り込んだ。

前任の駒大岩見沢を含め指導歴40年を超える佐々木啓司監督(63)は「決勝が雨で中止になるのは初めてだよ。試合前に決まって良かったんじゃないかな」と水入りにもどっしり構えた。昨年の決勝は旭川大高に3-5で敗れ、聖地まであと1歩届かなかった。「万全でできるように調整します」。クラークナインは令和初の甲子園一番乗りへ、リベンジの舞台に向かう。【西塚祐司】