ここ一番で力を発揮した。東海大菅生(西東京)4番の杉崎成内野手(2年)が3安打1本塁打5打点の活躍を見せた。

1点を追う3回1死二、三塁。「得点圏に来たら全部打ってやる」と鋭いスイングで左前に逆転2点適時打を放つと、7回には「バットにうまく乗った」と左翼ポール際に高校通算34本目、今大会自身初のソロ本塁打。8回にも無死二、三塁から左前に運び、ダメ押しの2点適時打だ。巡ってきた好機をすべて得点につなげた。

「かっこいい」とオリックスの主砲・吉田正に憧れを抱く。「中学の頃に打ち方をまねした」というほどだが、吉田正は左打ち、自らは右打ち。「打てなくてやめました」と苦笑いで振り返る。フォームはまねはできなかったが、勝負強さは球界を代表する打者をほうふつとさせるものがある。

素材の良さは若林弘泰監督(53)は認めるところ。大活躍にも「70点ぐらい。持っている力を出してくれたら」とさらなる成長に期待する。昨夏は1年生ながら2本塁打。この夏は大会前に「今年は3本打ちます」と誓った。2年生4番の一撃で、2年ぶりの甲子園をたぐり寄せる。【飯岡大暉】