仙台育英が通算4度目の夏3連覇まで、あと1勝とした。

5回までわずか1安打の重苦しい空気を中里のバットが切り裂いた。6回表先頭で左中間三塁打。さらに1死一、三塁から4番小濃塁外野手(3年)の左犠飛で先制ホームを踏み、雄たけびをあげた。続く7回は左犠飛でチーム3点目を挙げ、9回表1死満塁では左翼前適時打で打者一巡の猛攻に貢献した。5回までの1安打も中里がマーク。最後は二塁ゴロを華麗に処理し、勝利球を一塁に転送した。準々決勝から先頭打者に復帰。計3安打2打点の中里は「後ろにパワーヒッターがいるのでエラーでも出塁する」と心意気を話した。

投げては140キロ超4投手の豪華完封リレーで締めた。2戦連続先発の1年生左腕・笹倉世凪(せな)が自己最速144キロを交えながら、打者一巡までの2回1/3を2安打無失点。3回途中救援の右腕・鈴木千寿(3年)も緩急を投げ分け、3回2/3を2安打7奪三振でつないだ。7回には三塁手で先発のエース右腕・大栄陽斗(3年)が満を持して登板し、こちらも144キロの速球を交えて、2回を1安打。最終9回は1年生右腕・伊藤樹が1安打で締めた。計6安打の完封リレー。2安打2打点の千葉蓮主将(3年)は「投手も野手も1人1人の役割を果たせた」と胸を張った。

28日の決勝は過去、仙台育英中と東北中時代からしのぎを削り合ってきた私学ライバル対決。伝統を背負う中里は「9回後にぶっ倒れるまで力を出し切り、全員が1つになってあと1勝をもぎ取りたい」と闘志を燃やした。【佐々木雄高】