東海大相模(神奈川)が、歴史的強打で日大藤沢を下し、4年ぶり11度目の夏の甲子園出場を決めた。最速145キロの二刀流、遠藤成(じょう)内野手(3年)の高校通算45号2ランを皮切りに、チームとして大会タイ記録となる1試合5本塁打。同校が持つ戦後の決勝戦での大会記録を更新する24得点をマークした。

勝利の瞬間、ナインがマウンドで人さし指を突き上げ、歓喜の輪を作った。火付け役となった遠藤も「全員が一体となって優勝できて、すごくうれしいです」と笑みがはじけた。5点リードの3回2死二塁、日大藤沢エース武冨陸投手(3年)からバックスクリーンに2ランを放ち「チームに勢いを与えられた」。山村崇嘉内野手(2年)が2発を放てば、負けじと鵜沼魁斗外野手(2年)西川僚祐外野手(2年)もアーチをかけた。

頂点への道は、春の関東大会優勝を「忘れること」から始まった。過去を捨て、慢心や過信なく新たな目標へ。5月23日に優勝を果たしたが、門馬敬治監督(49)は6月2日の常総学院との招待試合の際には「優勝? そんなことありましたっけ?」と、完全に気持ちを切り替えていた。大会序盤は不調だった遠藤も「メンバー外の選手の分までと、熱い気落ちを思い出した」と切り替えに成功。投げてはリリーフ登板で3回2/3を1失点、打っては初安打となる本塁打を放った4回戦の慶応戦から、一気に調子を上げてきた。

4年ぶりの夏の甲子園切符。門馬監督も「今日はよくやったと褒めたい。でも日付が変わったらまた厳しくいきます」とニヤリ。聖地へ向け、再び気持ちを切り替える。【鈴木正章】

▽東海大相模OBの巨人原監督 今日は東海大相模にあやかってね。わが軍も東海大相模ほどは(得点が)取れなかったけど。やっぱりこのシーズンというのは、球児であるならば、あったならば、母校の活躍というのを誰しもが、望んでいるところですね。

▽東海大相模OBの日本ハム大田「試合はちょくちょく見てました。神奈川を制しての甲子園。相模らしい勝ち方をしてくれたら、一番うれしい。現役時代にも、コーチになってからも、お世話になった金城さんの息子がいるので、応援しています」