「福岡のエース」が関東強豪封じを宣言-。第101回全国高校野球選手権(6日開幕・阪神甲子園球場)の組み合わせ抽選会が3日、大阪フェスティバルホールで行われ、筑陽学園(福岡)は作新学院(栃木)と第6日第1試合で対戦することが決定した。打線が売りの相手に対し、甲子園から背番号「1」となった西舘昂汰投手(3年)が「強い方が燃えます」と打線封じを宣言した。

福岡が誇る右腕が、胸を張った。「相手が強い方が燃えます」。筑陽学園を春夏連続甲子園に導いた西舘が、対戦相手が決まった直後に口元を引き締めた。全国優勝経験のある関東の強豪、作新学院。相手にとって不足はない。最後の夏に燃える最速145キロ右腕が再びスイッチを入れた。

今年のセンバツでチームはベスト8になったが、西舘は3試合中、2試合救援に回っただけ。「自分としては調子は最悪でした。また甲子園で活躍したい思いでここまできました」と夏のマウンドにかける思いは強い。この日、甲子園練習でマウンドの感触を味わったが「センバツと同じだった。今度は自信をつけてマウンドに上れるので、全然違う結果になると思います」と手応え十分だった。「相手は歴史も伝統もあるチームですが、初戦は勝ちたい」。作新学院は今夏栃木大会5試合で65安打53得点と打ちまくった。エースとして燃えないわけがない。

江口祐司監督(56)も背番号10から1に“昇格”させた。「西舘に頑張ってもらいましょう」と期待を寄せる。「試合もあとの方がよかったので、大会6日目というのは助かる。福岡大会では西舘が1人で良く投げてくれたので、休ませたいと思っていた」と日程には笑みをこぼす。西舘も「疲れがあるわけではないが、しっかり調整できる」と前を向いた。

「相手の研究より自分たちのコンディションが大事」と指揮官は言う。十分にある調整期間を味方に、初戦から西舘の右腕がうなりをあげる。【浦田由紀夫】