北越は11-5で新潟産大付に打ち勝ち、8年ぶり3度目の秋県王者を決めた。1番松山琉人外野手(2年)が2回の勝ち越し打を含む3安打2打点の活躍で打線をけん引した。来春センバツ出場の選考参考となる北信越大会(石川県)は12日に開幕する。

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北越の1番松山のバットで8年ぶりの秋県頂点への道を切り開いた。1点を追う2回。前打者・阿部のスクイズで同点とし、なお2死二、三塁。外角高めに入ってきた直球を逆らわずにセンターへ打ち返す。勝ち越しの2点二塁打に松山はベース上で右手を突き上げた。

28日の加茂暁星との準決勝、松山は4打数ノーヒット。「決勝では絶対に打ってやろう」と強い覚悟で決勝に臨んでいた。「相手の先発は、入りがストライクの多いピッチャーと分かっていた」。第1打席。プレーボール後の初球を狙いと売りに右前へ運んだ。4回も先頭打者で右前打と、試合開始から3打席連続安打。1番打者が打線を勢いづけた。

3年生が主力だった夏の大会は3番に座った松山。「あれほど練習している先輩たちでもが打てずに苦しんでいた」。練習に明け暮れても打撃に悩む上級生を間近にしてきたからこそ、変化球への対応など自分の弱点を見つめることができ、改善に努めてきた。3安打2打点と結果を出しての優勝に「先輩たちが届かなかった優勝を手にすることができてうれしい」と笑顔だった。

県王者として挑む北信越。14年を最後に県勢が5年もの間、遠ざかっている春のセンバツ出場を掛けた戦いになる。小島清監督は「大きな目標はある。だが、まずは県代表校としての自覚を持って目の前の試合をしっかり戦っていく」と一戦必勝で臨む覚悟を語った。

準決勝では重盗で決勝点を奪い、この試合ではアウトになったが本盗を試みた。打撃だけでなく、足をからませた大胆な攻撃を「打つのは1つの手段。得点の形にはこだわらない」と小島監督。多彩な攻撃パターンで北信越の強豪を撃破していく。【山岸章利】