明豊(大分)が9回3点差を一気に逆転する劇勝で、2年連続センバツ出場を確実にした。

3-3で迎えた8回に3点を勝ち越され、万事休したかと思われたが、9回に4得点。初戦でも7点差をはね返した強力打線が、土壇場で試合をひっくり返した。九州の来年センバツ出場4枠に有力なベスト4に2年連続で進出した。

3点差でも明豊ナインは下を向かなかった。先頭打者が敵失で出塁後、連打でまず1点。なおも死球で無死満塁のチャンスをつくった。その後、2死になったが打席に入った居谷匠真(しょうま)捕手(2年)は「絶対に自分で決めてやると思っていた。気持ちで振り抜いた」。打球は右中間を抜け、一気に3者を迎え入れて逆転。居谷は「最高でした」と笑みを浮かべた。

初戦では昨年から背番号1をつけ、今年のセンバツでも勝利を収めていた先発の若杉晟汰(せいた)投手(2年)が2回もたずに8失点と大乱調も、打線が20得点の爆発で勝利していた。若杉はリベンジを誓って、この日6回まで1失点。川崎絢平監督(37)は「若杉の気持ちの投球が、ナインにも伝わった。それが最後の粘りにつながった」と声を弾ませた。主将も務めるエースの熱い気持ちが、あと1人と追い込まれてからのミラクル劇を呼んだ。

8回まで4併殺でチャンスをつぶしてきたが、9回もバントすることなく逆転した。川崎監督も「最後までうちの攻めのスタイルを貫いた結果だと思う」とナインの奮起を喜んだ。殊勲打の居谷は「新チーム結成から日本一を目標に掲げてやってきた。あと2つ勝って神宮に行きたい」。今センバツ4強も夏甲子園を逃した先輩たちの悔しさを晴らすためにも、快進撃を止めるつもりはない。【浦田由紀夫】

▼沖縄尚学・比嘉公也監督(38) 明豊さんの最後まで攻め続ける姿勢にやられました。守備では詰めの甘さが出てしまった。