中京大中京(東海・愛知)の右腕、高橋宏斗投手(2年)が強打の明徳義塾(四国・高知)打線を7回参考ながら4安打で完封して、10三振を奪った。

初回、いきなり1死三塁のピンチを迎えると3番鈴木大照(だいしょう)捕手に自己最速タイの148キロで空振り三振。続く打者も三ゴロで切り抜けた。「先頭に二塁打を打たれて力が抜けた。三振は狙いにいったが、高めのボール球だったので、まだまだ」。コメントは謙虚だったが、相手の明徳義塾は高知大会で4試合で33得点、四国大会4試合で40得点、今大会の初戦で8得点と、今秋の公式戦は1試合平均9得点を誇ってきただけに、無失点は価値がある。

左足を上げる時に三塁側に顔を向ける姿はソフトバンク千賀滉大にそっくりだ。「この秋の(愛知)県大会から三塁へ向くようにした。本塁側に体が倒れないように。千賀投手の動画はよく見ます」と自宅から約1時間の通学時間などを利用し、動画でフォームを目に焼きつけた。

ほかにも日本ハム吉田輝星やヤクルトにドラフト1位指名された星稜・奥川恭伸投手(3年)らの動画を見て学んでおり、「最速155キロ、常時148から150キロを目標にしている。自分の中では行かないといけない数字。世代NO・1投手が目標なので」と、目標も大きい。

7回コールドで完封負けを喫した明徳義塾・馬淵史郎監督(63)からも「今年見た中で一番の投手。球が低めに来る。体が開かないから。右打者の外角直球が遠く感じる。球筋がいい」と絶賛された。【石橋隆雄】

◆巨人長谷川スカウト部長(中京大中京・高橋宏の投球に)「球に力があってスライダーもいい。一冬越えてどうなるか楽しみ。当然、追いかけていくことになるでしょう」