東北高校球界の2大エースが9日、今秋の東都大学1部リーグを制した中大に合格した。

花巻東(岩手)の最速151キロ右腕・西舘勇陽(3年)は、ロッテ1位指名の大船渡(岩手)佐々木朗希投手より先に「新怪物候補」と注目を浴びた逸材。内野手としても活躍した仙台育英(宮城)の二刀流右腕・大栄陽斗(3年)もスライダーを武器に、大学では投手1本で勝負する決意を固めた。さらなる成長曲線を描き、4年後のプロ入りにも挑む。また、福島商・渡辺直紀内野手(3年)も合格。花巻東・中森至投手兼外野手(3年)、山崎大翔捕手(3年)は準硬式野球部に入部予定だ。

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大栄は二刀流を封印する。8強入りした今夏の甲子園でも、全4試合でマルチ安打。15打数10安打6打点と貢献したが「自分の中では投手1本で勝負していきたい」。ドラフト1位でプロ入りした全国の好投手らにも負けたくない。目標を「プロ野球選手」と力強く色紙に書き込み、心境を明かした。

入学時125キロだった直球は、最速145キロまで成長した。スライダーは東北屈指だが、2度の甲子園で痛打を浴びて得た教訓も多い。「自信のあるスライダーの精度を高めるだけでは、さらに高いレベルは目指すことが出来ないと思っている。球速は150キロを超えたいし、カットボールなどの小さく曲がる速い変化球も欲しい。どこまでいけばプロになれるのかは見えつつある」。4年後の理想型は明確だ。

東都有数の強豪での切磋琢磨(せっさたくま)も歓迎だ。「速い球を投げる投手はたくさんいる。自分らしさを出していかないといけない」。配球、けん制、フィールディングなども含めた総合力で勝負する。

◆大栄陽斗(おおさかえ・あきと)2001年(平13)9月3日生まれ。福島・いわき市出身。永崎小4年から小名浜少年野球教室で野球を始め、小6では楽天ジュニア選出。秀光中時代を含め、小中で全国大会出場。仙台育英では1年秋からベンチ入り。昨夏、今夏と2度の甲子園出場し、内野手との二刀流。175センチ、75キロ。右投げ左打ち。家族は両親と弟。