幻となったセンバツ開幕日、球児たちが前へと踏み出した。新型コロナウイルスの感染拡大で大会史上初の中止となった第92回選抜高校野球大会に出場予定だった花咲徳栄(埼玉)が19日、同校のグラウンドで模擬開会式を行った。

センバツ用に新調した背番号付きのユニホームを着て入場行進し、校歌を斉唱。学校職員ら約50人が見守る中、夏に向けての再スタートを切った。

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センバツ中止決定後の参加32校の対応は分かれている。花咲徳栄以外にも、仙台育英(宮城)鶴岡東(山形)中京大中京(愛知)大阪桐蔭、履正社(大阪)智弁学園(奈良)天理(奈良)智弁和歌山などは、中止決定前から練習を継続している。対外試合は行わない学校がほとんど。練習時間を短縮したり、参加者を絞ったり、自主練習としたりしている学校もある。

国士舘(東京)明石商(兵庫)などは、中止決定後いったん活動休止。その後、再開した。高崎健康福祉大高崎(群馬)山梨学院、星稜(石川)なども近く再開する。

一方で、活動休止を続ける学校も少なくない。今回、公立校は7校あったが、明石商をのぞく6校(帯広農、磐城、県岐阜商、倉敷商、平田、大分商)はいずれも休止が続く。私学でも、東海大相模(神奈川)のように期限未定で休止中の学校もある。各都道府県の春季大会も延期・中止が相次いでおり、すんなり「夏へ向けて切り替える」とはいかないのが現状だ。