八戸学院光星(青森)期待の1年生右腕・洗平歩人(あらいだい・あると)が、主力組相手の練習試合デビューを果たした。

八戸工大一戦に先発し、2回2失点。初回の本塁打を含む3安打を喫したが、自己最速にあと1キロと迫る137キロの直球や3種の変化球で三振も奪うなど、素質の高さを披露。「緊張はしたが思い切りの良い投球が出来たと思う。先頭を打ち取ったあとに気の緩みあったことが反省点」。佐倉リトルシニア(千葉)で中3時に全国選抜大会優勝も経験している実力の片りんを感じさせた。

父の背中を追い、追い越すことが目標だ。青森・六戸町出身の父竜也さん(41)は同校OBで、1年生からエース左腕として活躍。だが、夏は3年連続で青森大会決勝で敗れ「不運のエース」とも語り継がれている中日00年ドラフト2位の元プロ選手だ。小学校時代から父が投げる高校時代の動画を何度も見て「KOSEI」のユニホームに憧れ続けてきた。

4月の入寮時は父の運転する車で千葉から八戸へ。「父からは『甲子園があってもなくても3年生との時間は今しか得られないもの。その時間を大切に』と言われました」。投球時に左足を脱力して上げることなど、父からの教えは数多い。「同じユニホームを着て甲子園に行きたい気持ちが強いです」。父がかなえられなかった聖地への夢も大きくなった。

仲井宗基監督(50)も「真っすぐの質は非常に良い。コントロールが甘くなればこういう結果になるので、打たれて勉強ですよ」と期待を寄せる。父が過ごしたマウンドやグラウンドで、甲子園出場を導くエースへの1歩を歩み始めた。【鎌田直秀】

◆洗平歩人(あらいだい・あると)2004年(平16)7月28日生まれ、千葉・船橋市出身。二和小2年時から野球とサッカーを始め、小4からは二和タイガースでの野球1本に。御滝中では佐倉リトルシニアでプレーし、3年春には全国選抜大会優勝。180センチ、72キロ。家族は両親と弟2人。血液型B。