三条のエース丸山尊仁(みこと=3年)が最後の夏へ挑む。昨秋は4回戦でベスト4に進んだ巻に6-7(延長12回)で惜敗。その悔しさをバネに球速アップと持ち味のスライダーに磨きをかけてきた。2年春の北信越大会出場の経験を生かし、王者を目指す。初戦の相手は強豪・中越(19日、悠久山)。粘り強い投球でアウトを重ね、勝利をつかみ取る。

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丸山が初戦突破へ燃えている。「初戦から決勝のつもりでやる。相手打線の特徴やクセは把握しているので、しっかり試合を作りたい」。中越とは6月27日に練習試合を行い、6回途中まで登板し1失点(5●11)に抑えた。「全くわからない相手ではないので逆にやりやすい。インコースを強気に攻め、その時に負けたリベンジも果たしたい」。ピンチを切り抜けるイメージはできている。

「自分は三振を多く取る投手ではない。力を抜くところ、入れるところを使い分ける」。ストレート最速は137キロ。そこにスライダー、シンカーなど多彩な変化球を加え、相手打線に的を絞らせない投球を心がける。昨春の県大会準決勝、村上桜ケ丘戦では9回1失点で完投(3○1)。三条の81年春以来の北信越大会出場に貢献するなど、経験は豊富だ。現在は、右肘痛でノースロー調整を続けるが、中越戦には間に合う見込み。

新型コロナウイルスの影響による部活動休止期間中は、国公立大教育学部進学を目指す勉強のかたわら、筋肉量と自身のベスト体重65キロをキープするため、学校から借りた器具を使った筋トレとランニングを続けた。「勉強も自主トレも良いメンタルで取り組めた」。昨年11月には星稜(石川県)などでメンタルコーチを務める飯山晄朗氏が来校。講演で得たヒントを取り入れて練習に励んだ。「準備の部分でのメンタルは相当強くなった。それが実戦に生かせるか。初戦が楽しみ」と笑顔を見せる。

平澤周太郎監督(47)は「(丸山が)絶対的なエース。彼を楽にさせてやるためにも、下級生が打線で頑張らないと」と、金田瑞基内野手(2年)らの奮起に期待する。チームは組み合わせが決まった7月1日以降、中越の佐藤旦有夢(あゆむ)投手(3年)の速球対策を進めている。丸山は、「相手は優勝候補と言われている分、プレッシャーがあるはず。後のことを考えず、完投して投げ勝ちたい」。強敵を倒すための準備を進める。【小林忠】

◆丸山尊仁(まるやま・みこと)2002年(平14)2月10日生まれ、加茂市出身。小学2年から加茂レッドアローズで野球を始め、加茂中から三条高へ進学。1年秋から試合に出場。背番号1は2年春から。昨春の県大会準優勝に貢献し、北信越大会1回戦、富山第一との試合で先発(1●5)。将来の夢は教員。右投げ左打ち。170センチ、65キロ。