履正社は、独自大会前最後の練習試合で智弁和歌山と対戦。元阪神関本賢太郎氏(41)の長男勇輔捕手(3年)が、視察した阪神和田豊テクニカルアドバイザー(57)の前で2安打を放ち、プロ入りへアピールした。

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勝負強さで鳴らした父譲りの選球眼で、関本が阪神首脳をうならせた。

大阪・茨木市の履正社グラウンドに、5球団11人のスカウトが視察。その中に阪神和田TAの姿があった。試合前、関本は岡田龍生監督(59)から「自分でアピールしろ」とハッパをかけられた。1回1死一、二塁で甘く入ったスライダーを左前へ運び、チャンスを広げた。5回にも中前へ安打を放ち、4打数2安打。5-3と強敵の智弁和歌山を下した。「最近ヒットが出てなかった。センター返しを意識して、体のブレを少なくするのを課題にしました。今日は2つ取れたのでよかった。久しぶりにいい感じにできた」と手応えをつかんだ。

和田TAはセキJr.の選球眼に注目。「きわどいところを見極めて、ストライクゾーンに来た甘い球を確実にミートさせてる。そういうところはお父さんに似ているよね。初めて見たんだけど、非常に落ち着いてどっしり感もある。本塁打を打ってる画像は見てるんだけど、しっかりと球を見極めてコンタクトしてるんで、それは大きな武器になるよね」とチームメート、監督として父を知る人から高評価を受けた。

大阪独自大会の初戦は22日。豊中ローズで北かわち皐が丘と対戦する。関本は「大阪で誰よりも打点をかせぐのが4番の仕事なので、そこを目標にしてます」と“ナニワの打点王”を宣言。大会の中止が相次いだ異例の夏でも、前だけを見て突き進む。【南谷竜則】