全国高校野球選手権の代替となる都道府県の独自大会が27日、各地で行われ、西東京では早実が八王子学園八王子に逆転勝ち。初戦を突破した。

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敗れた八王子学園八王子の安藤徳明監督(58)は「3年生のいろんな思いがありましたが…。代え時が難しかったですね。この子たちが頑張っている。この子たちで最後までやりたいと…」と振り返った。

先発の溝口雄大投手(3年)は7回まで2失点と好投。その裏に打線が2点を追加し、5-2とリードを広げた。通常の大会であれば、安藤監督は「5-2となったところで代えてました」という。ブルペンには、2年生左腕の羽田が控えていた。だが、代替大会ゆえの思いがあった。「あの子(溝口)中心でやってきた。最後、勝ち負けをつけるのは、あの子にと腹をくくりました」と続投を選んだ。

溝口は8回に3失点し、追い付かれた。その裏に1点を勝ち越したが、9回にも3失点で逆転負け。結果的に続投が裏目に出たが、安藤監督は「最後に試合ができて引退する。ありがたいと思って試合をやりました。最後まで頑張ってくれました。この先に生きるよう野球をやって、何を得たか。勝ち負けじゃないものを考えて、次の人生に頑張ってほしい」と、3年生たちにエールを送った。

9回を投げ抜いた溝口は、清宮の場外弾など、早実打線に5本塁打を浴びた。「(清宮の1発は)自分が打たれた中で一番飛ばされました」と打ち明けた。続投については「このチームでやってきて、投げきって、勝ちたかったですけど、任されたことはうれしく思います」と、すがすがしく振り返った。