中越が優勝した瞬間、マウンドの佐藤旦有夢(あゆむ)投手(3年)に歓喜の爆発はなかった。

「ああチェンジだという感じだった」とベンチからナインが飛び出してくるまで優勝に気づかなかった。3回までに3失点も以後は無失点。「逆転した時に自分がチームを勝たせなければとスイッチが入った」。球場の計測で最速144キロの直球を駆使し、三振も2桁11を奪った。「みんなが集まってきた時はあれほど最高の瞬間はなかった」と言った。