今秋のドラフト候補、聖望学園・蔵田亮太郎内野手(3年)が、まずまずのスタートを切った。187センチ、81キロの大型遊撃手として注目された夏の初戦。打撃は内野ゴロが2つ続いた第3打席で、中前にクリーンヒットを放った。「低めの球をひっかけてしまった」と反省したが、「この大会は個人の結果よりチームの勝利が1番」と続けた。

その言葉通り、4回の打席は無死二塁。「最低でも進塁打」と右方向を狙い、走者を三塁に進めた。父修さんは、広島の福山大硬式野球部の監督。前夜、電話で「この大会に集中しろよ」とアドバイスをもらっていた。

試合は相手に先制され、3回にも追加点を許す苦しい展開。それだけに、蔵田がつないだ一打は逆転につながる価値あるものになった。守備機会は1回だけ、走力は披露のチャンスがなかった。

スタンドには日本ハムと西武の2球団、計3人のスカウトが観戦した。日本ハム今成泰章スカウトは「大型遊撃手といえば(メジャーでは)ジーターとかリプケンか。日本にはいないでしょう。守備でボールの吸収の仕方がうまいね。スケールの大きな選手に育つ可能性がある」と話した。西武の育成・アマチュア担当チーフの前田俊郎氏は「走攻守にバランスがとれている。守備は大きい割にステップを取るのがうまい」と話した。