専大松戸が見事な逆転劇で、8回コールド勝ちの決勝進出を決めた。

「焦らないでいこう」が専大松戸の選手たちの合言葉だった。市船橋のエース高山航希投手(3年)に5回まで3安打に抑えられ、4点を先制されても、専大松戸の選手たちは、口々に「焦らないで」と声をかけあい、反撃の期を待った。

5回のグラウンド整備の時間が流れを変えた。6回表、高山の変化球の制球が乱れ、遅い真っすぐが多くなった。先頭打者が死球で出塁すると、狙い球を浮いた変化球に絞り、低めは徹底して振らない。中村真也外野手(3年)が中前打で一、二塁にすると、2つの四球で押し出し。さらに3連打で一気に逆転した。同点打を打った中村哉太内野手(3年)は「甘く入ったボールを逃さずに打てた。先制されても、あきらめずに攻める野球ができました」と粘りの全員野球に自信を見せた。

持丸修一監督(72)は「今日は踏ん張る野球でしたね。こういう勝ち方は、後輩たちにいい姿を見せられたのではないでしょうか」と話し、笑顔を見せた。

明暗分かれた6回表。市船橋の桜内剛監督(52)は「6回表の高山は5回までと別人でしたね。でも、3年最後なので、エースとして踏ん張って来い、という思いがありました。いい終わり方をして欲しかった」とエースに思いを託したが、勝利には届かなかった。【保坂淑子】