眼窩(がんか)底骨折を乗り越えた智弁和歌山・綾原創太内野手(3年)は初回、四球で出塁し、先制のホームを踏んだ。昨秋の近畿大会で、打球が右目付近に直撃。今もけがの影響が残り、日光がまぶしくサングラスが手放せない。試合中かけているサングラスは、チームメートがお金を出し合ってプレゼントしてくれた。「みんなが買ってくれたサングラスがなければ、プレーできてなかった」。この日の甲子園でも、そのサングラスを、守備や打席で着用した。

持ち味の守備だ。6回にはライナー性の打球をさばいた。「6回のセカンドライナー、1回しか飛んでこなかった。守備には自信があったので、もっと飛んできてほしかった」と苦笑。5回2死では、得点につながらなかったが左翼線二塁打。最後の甲子園は4打数1安打。「1本打てた喜びと、2番打者として塁に出てチャンスをあまりつくれなかったという思いと半々ですね。独自大会でも優勝できて、最後に甲子園で勝って終わりたかった」と最後の夏を振り返った。

目の負傷は医師から、「日にち薬」と言われている。当面はサングラスをつけてプレーをすることになる。「進学しても野球は続けるので、ずっと相棒にしたい」。今までもこれからも、支えてくれる仲間がいる。【望月千草】