藤代(茨城)・原基希外野手(3年)は小1で、家族で訪れた甲子園が忘れられない。「プレーしている選手がかっこよかった。いつかここでプレーしたいと思った」。その時撮った甲子園の写真を携帯の待ち受けにして持ち歩いた。

しかしこの夏、甲子園が中止になり、目標を失った。甲子園の写真を削除し、真っ暗な画面にぼうぜんとした。そんな時、代替大会の開催が発表され、すぐに携帯の待ち受けを3年生全員の写真にした。「甲子園の夢はなくなったけど、全員で最後までプレーする」と誓った。茨城高野連への感謝の気持ちでいっぱいになった。

50メートル6秒1、俊足巧打で主将としてもチームを引っ張った夏。初戦敗退で力は発揮できなかったが、3年生全員で戦った夏は、一生の思い出になった。