来春センバツへの重要な参考資料となる第73回秋季東海地区高校野球県大会(19日開幕)の組み合わせ抽選会が14日、静岡市内で行われた。1回戦で焼津中央(中部5位)との対戦が決まった伊豆中央(東部5位)は、御殿場南との地区大会2回戦で毎回の13犠打を重ね、県切符をつかんだ。県大会でも小技を武器に上位進出を狙う。日刊スポーツ静岡版では、注目の3校を連載で紹介する。

夕暮れ時の伊豆中央グラウンド。チームは、念入りにバント練習に取り組んでいた。この日は試合を想定し、本塁から二塁、遊撃方向に引かれた6本の白線内に転がす練習を行った。影山英伸監督(46)は「白線内は相手が嫌がる位置で、バントが成功する可能性も高まる」と説明。井深恭兵主将(2年)は「狙う場所の感覚をつかめてきた」と手応えを明かした。

東部地区大会では、県切符が懸かった御殿場南戦で計13犠打。敵失も誘い、10得点で快勝した。徹底したバント攻撃に指揮官は「秋はチームの駆け出し時期で、お互いに未完成。相手が何を嫌がるかを考えた末の作戦」。現在の練習ではバントのほか、走塁や守備などの基礎を大切にし「土台を固めないと、どこかで崩れる。野球を知ることにもつながる」と話した。

相手の隙を突く細かな野球に、ナインも好反応を示す。2番打者として、つなぎ役に徹する村上健治内野手(2年)は「プッシュバントなど、相手の意表を突くのが楽しい。この戦術はやりやすい」と笑顔。井深は「バントはミートポイントが分からないとできないので、打撃も良くなると思う」と胸を張った。

御殿場西との地区3回戦では課題が残った。初回に連打で3得点も犠打失敗から流れを失い、逆転負け。井深は「取れる点を確実に取れないと勝てない。県大会では、好機でたたみかけて優勝したい」と力を込めた。【河合萌彦】