阪神、近鉄で活躍し、現在は阪神2軍打撃コーチを務める北川博敏氏(48)の長女で女子マネジャーの北川千尋さん(2年)は、チームの逆転勝ちをスタンドから見守った。試合後、「ハラハラしました」とはにかみ、勝利を喜んだ。

部員80人超の大所帯を、4人のマネジャーとともに支えている。仕事は、スコアの記録、練習補助など多岐にわたる。「大変だけど楽しい。みんなの頑張る姿に感動するし、良い影響を与えてもらっています」。父や兄の影響を受け、マネジャーを志望。父は「高校野球は良いものだから、楽しんでやれよ」と入部を賛成してくれた。

試合は、序盤こそ相手の勢いに押され2回までに4点先行されたが、2回裏から反撃開始。四球で出塁した走者に3本の長短打を絡めて3点を返し、3回に同点。4回に4得点で逆転し、5回には2ランスクイズを成功。中盤の集中打で相手を突き放した。広岡正信監督(66)が「とにかく近畿大会へ。そのくらいの自信はあります」と期待を寄せる新チーム。北川マネジャーも「(高校野球が)終わって欲しくないくらい楽しい」。飛び込んだ高校野球は、今ではかけがえのない存在になった。部の指導者陣からも「いい子なんです。みんなを和ませてくれる」とチームの中でも愛される存在だ。

1年生には阪神、広島で活躍した新井貴浩氏(43)の長男・亮規浩さん(あきひろ)が所属。同期の森津雄大投手は「話しやすくて優しい。(貴浩氏と)スイングの豪快さが似てる。よく打球を飛ばしてるし、打球が強い。さすが息子さんだなと思います」と、球友の素顔を明かした。今秋はベンチ外だが、身長180センチと体が大きく、楽しみな選手と期待を寄せられている。

98年以来、23年ぶりのセンバツへ。球界OBのJr.たちが、チームの躍進を支える。