高崎健康福祉大高崎(群馬)が、新たな「破壊」を見せた。関東大会初戦は12安打6得点。4回2死二塁で8番綱川真之佑捕手(2年)が左翼中段に2ランを放つなど、チーム合計5本が長打。例年、機動力で得点を重ねる「機動破壊」が代名詞だが、新チームは強打の打線となりつつある。

青柳博文監督(48)は「迷いなくバットを振れて、上位から下位まで切れ目なく打てる」と評価する。その土台は今年の夏にある。

群馬独自大会を3年生のみで臨んだため、1、2年生は別チームで練習していた。グラウンドを3年生が使っている中、下級生は主に室内練習場で汗を流した。指揮官は「バッティングしかやることがなかった」と話す。10から12メートルの至近距離で、打撃投手の全力投球を打ち続けてきた。

綱川の1発で、2年生の高校通算本塁打の合計は199本になった。今後は、持ち味の強打に、伝統の「機動破壊」を融合させることも見据える。小沢周平内野手(2年)は「自分たちは走れない訳ではない。いざとなったら隙を突きたい」と意気込んだ。