第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)で創部100年の三島南(静岡)が、甲子園に春夏通じて初出場します。連載「三島南センバツ初出場 起こせ!!南風」で、聖地に挑む同校の全27選手を紹介していきます。

    ◇    ◇    ◇  

三島南の1番打者・斎藤崇晃外野手(2年)が、チームに勢いをつける。「自分が塁に出るか出ないかで流れが変わると思っている。甲子園ではチームのために、どんな形でも出塁する」と意気込む。

思いきりの良さが売りで、「見逃し三振より空振り三振」を信条とする。だが、昨秋は好不調の波が大きく、積極性は鳴りをひそめた。決勝打を放った静岡高との県大会準々決勝では2安打1打点の活躍も、大会を通しては打率2割2分6厘と苦しんだ。現在は、強い打球を打つことを意識。50メートル6秒0の俊足もあり、「足で安打を稼ぎたい」とやる気に満ちている。

「野球を始めたころから、甲子園出場だけを目標にしていた」と明かす。センバツ初出場決定を知ったときは、喜びが大きく「思わず涙が出た」と笑う。以来、打撃練習では常に甲子園の打席をイメージ。「行ったことがないので、感覚はわからないですが」。憧れの地を意識して練習への意欲を高めている。

三島南野球部元主将で、自身が野球を始めるきっかけになった祖父真澄さん(72)から「『悔いの残らないように、思いきりやってこい』と言われました」。尊敬の念を抱く祖父からの言葉を胸に、聖地でハツラツとしたプレーを披露する。【河合萌彦】

◆斎藤崇晃(さいとう・たかあき)2003年(平15)5月18日、函南町生まれ。小3から函南少年野球クラブで野球を始め、伊豆市シニアを経て三島南高へ。昨秋の県大会準々決勝・静岡高戦で7回に決勝打を放ち、チームの県4強入りに貢献した。右投げ右打ち。170センチ、66キロ。血液型A。家族は母と姉、祖父母。趣味は、甲子園大会の動画を見ること。