夏への確かな財産を手にした。春夏通じて初甲子園の柴田(宮城)が、京都国際との「初出場対決」に延長10回、4-5の逆転負けで力尽きた。それでも、エース谷木(やぎ)亮太投手(3年)は10回153球の力投で6安打5失点完投。「2番三塁」の横山隼翔内野手(3年)は5打数3安打。前主将で今春卒業した兄航汰さん(18)に買ってもらったバットで、結果を残した。スタメン唯一の2年生、4番菅野結生(ゆうき)内野手は1回の適時打を含む2安打2打点と勝負強さを発揮。打線は相手を上回る14安打を放ち、大舞台で力を出し切った。ナインは収穫と課題を持ち帰り、春夏連続出場を誓った。
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闘志は衰えていなかった。2点を勝ち越された延長10回裏。柴田ナインは円陣を組み、気合を入れ直した。先頭の沼田大輔内野手(3年)が右翼線を破る二塁打。反撃ムードをつくると、1死二塁から代打の佐藤琳空(りんくう)内野手(2年)が左前適時打を放ち、1点差に迫った。さらに2死一、三塁でここまで3安打の横山に打順が回ったが、遊ゴロで2時間33分の激闘が終わった。平塚誠監督(48)は「点差をつけられても、チームの和を大事にして、最後まで戦ってくれた」とナインの健闘をたたえた。
初回に幸先良く2点を先制し、6回まで2-0と堅実に試合を運んだ。谷木は3回まで毎回得点圏に走者を置いたが、要所を締めると、4回から3イニング連続で3者凡退に抑えた。持ち味の緩急を駆使し、的を絞らせなかった。「変化球狙いでくると思っていたので、直球主体に組み立てたのが良かった」と女房役の舟山昂我捕手(3年)と相手の裏をかいた。
ただ、小さなほころびが重なり、「甲子園1勝」は夢に終わった。7回、谷木が先頭打者に四球を与え、野選と内野安打で1死満塁を招いた。正念場で甘く入った3球目の直球を中前に運ばれ、ダイビング捕球を試みた村上太生輔(たいすけ)外野手(3年)が後逸(記録は三塁打)。ボールが転々とする間に3人の生還を許して逆転された。平塚監督は「敗因を挙げるとすれば、7回にミスが重なり得点されたところ」と悔しさをにじませた。
それでも、簡単には終わらせない。直後の7回裏、2死三塁と好機をつくり、打席は1回に2点目の適時打を放った4番菅野。「単打でつなぐイメージだった」と、同点適時打で試合を振り出しに戻した。
2番横山は兄の思いを一振りに込めた。昨秋は打率1割9分5厘と苦しんだが、聖地で3安打「猛打賞」。バットと打撃手袋は航汰さんがお年玉を奮発してプレゼントしてくれたものだった。「兄の分まで頑張ろうと試合に臨んだ。兄に助けてもらいヒットを打てた」と感謝した。沼田も3安打を放つなど、先発5人が複数安打をマーク。チーム14安打は第5日までに初戦を終えた30校中でトップだ。
悔しい惜敗に、夢舞台に帰ってくる思いを強くした。「自分たちはまだまだ。夏の甲子園でリベンジする」と横山。夏の甲子園切符は1枚のみ。県内公式戦で37連勝中の仙台育英を筆頭に、強豪校がひしめく。一層のレベルアップを図り、2季連続の甲子園出場につなげる。【佐藤究】
○…代打の佐藤琳空(りんくう)内野手(2年)が10回に意地の適時打を運んだ。平塚誠監督(48)から「とにかく積極的にいけ」と指示を受け、2点を追う同回1死二塁で左打席へ。「追い込まれていたが、おそらく真っすぐだろう」とフルカウントからの7球目を左前へ流し打ち。出塁後に盗塁も決めて、相手にプレッシャーをかけた。

