春季東京大会で決勝進出(28日)を決めている日大三(東京1位)は、初戦で桐光学園(神奈川2位)に大量失点して敗退した。試合後の小倉全由監督(64)は「9点取っても13失点では勝てないですね」と、守備の乱れで3点を失った6回をポイントに挙げた。

5回裏に代打林夢人内野手(3年)の2ランで同点においつきながら、6回には中嶋太一投手(3年)に勝ち越し適時二塁打を許し、さらに鎌田慎也遊撃手(3年)、川島柾之(まさゆき)三塁手(3年)に連続してタイムリーエラーが出てこの回3点を失った。小倉監督は「あそこが痛かったですね。あれで3点差になったので7回から宇山に代えて矢後、岡村をマウンドに送ったんですが、7回に5失点ですか。(4番手の)土屋が良かっただけに、もう1イニング宇山を続投させていれば(試合展開は)違ったかもしれませんね」と、振り返った。

7回途中から登板した左腕の土屋マックス清文外野手(3年)が打者9人を1安打無失点に抑えただけに、2番手の矢後和也投手(2年)、3番手の左腕・岡村海琉投手(3年)が流れを止められなかったのが響いた。

打線は桐光学園の10安打を上回る15安打を放ち、小倉監督は「少しは打つようになったと。秋のような貧打とは言われないようになったと思います」と、上向きつつある打線を評価した。代打で一時は同点に追い付く2ランを放った林は「監督さんには自分のスイングをしてこいと言われて打席に入りました。もっと変化球に対しても強いスイングができるように振り込みたいです」と言った。

日大三は28日(神宮球場)に東京都大会の決勝を関東第一と戦う。小倉監督は「関東一の米沢監督は私の教え子です。教え子と決勝を戦えるなんて、めったにないことです。それも神宮球場でやれるのですからありがたいです。この関東大会もそうですが、試合をやらせてもらい、これを次につなげていきたいです」と、師弟対決に気持ちを切り替えていた。