ノースアジア大明桜が2枚看板の継投で白星発進した。

大曲工を6-3で下して8強入り。今秋ドラフト上位候補の最速153キロ右腕、風間球打(きゅうた、3年)は、8球団のスカウトが視察する中、5回3安打3失点(自責2)10奪三振でゲームメーク。2番手の石田一斗(いっと)内野手兼投手(3年)は、4回無安打無四球無失点の完全投球で試合を締めた。

秋田北鷹は2年生右腕の相馬大地が初完封。由利工に1-0で競り勝った。

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風間が代名詞とも言える奪三振ショーを演じた。1回2死から3回終了までに7者連続三振の快投。「(7者連続は)今までに経験はなく、初めてです。投げているときは楽しかった」。今月上旬の地区大会2回戦で5者連続、準々決勝では6者連続と「K」の山を築き、この日も当たり前のように相手打者を手玉に取った。

反省も残った。序盤は打者9人に対して無安打投球。しかし、4回に突如手元が狂い、ボールが先行した。先頭に四球、次打者の投前犠打を一塁に悪送球し、無死一、二塁のピンチ。1死後に悪い流れを止められず、相手4番にカウント2-1から3ランを浴びた。「自分のエラーでランナーをためて、真っすぐが甘かったというか、うまく打たれてしまい心残りです」。明桜のスピードガンでは、この日の最速は149キロを計測。登板予定だった5回を投げ終えると、石田一にスイッチした。

最速141キロを誇る石田一は、遊撃守備から6回にマウンドに上がった。1点差での登板だったが、ラスト4イニングを完璧なリリーフ。「6回から投げるのは(試合前に)決まっていたので、しっかり断ち切ろうと最後までいきました」。得意のスライダー主体でねじ伏せ、「風間みたいなストレートはないので、スライダーでカウントを整えるのを心掛けた」。試合前日の29日には頭を五厘刈りにした。「県大会は絶対に優勝しないといけないので、気合を入れました」。球打と一斗、2枚看板を軸に秋田の頂点を目指す。【山田愛斗】

○…秋田北鷹は県北地区初優勝の勢いそのままに、10年ぶりの8強を決めた。6回に3つの敵失から無安打で奪った先制点が決勝点になった。先発の相馬は「8割」の力加減で操る最速120キロの直球を軸に、多くのフライアウトを誘った。7四死球と制球は乱れたが、粘って初完封。「ピンチで集中を切らさず、仲間を信じて投げられた」と喜んだ。