常総学院が5回コールド勝利で初戦突破した。先発の石川大翔投手(2年)は、5回参考記録ながら“ノーヒットノーラン”を達成した。

「ノーヒットノーランを狙え」。1回表、石川は3者凡退に抑えベンチに戻ると、島田直也監督(51)から声をかけられた。「自分でも狙えるんだ」と、気持ちを入れ直した。

「緩いスライダーをバッターが振ってくれていたので」と前半はアウトコース中心に変化球でつまらせた。3、4回はインコース中心。「今日は自信のある直球をインコース、アウトコースに投げきることができました」。高低、横の球の出し入れを効果的に使い、毎回の8三振を記録した。

悔しさを糧にした。今春の関東大会準々決勝、花咲徳栄戦で先発するも、4回を投げ10安打6失点と打ち込まれ敗戦。「自分に常総学院の背番号を背負う資格はあるのか」と自問自答した。

先輩の支えで復活した。今春のセンバツで2枚看板と注目された秋本璃空投手(3年)、大川慈英投手(3年)が付き切りでアドバイス。秋本からは握りを変えた緩いスライダー。大川からは真っすぐの握りに、トレーニング方法。先輩たちの支えで、春以上に成長を遂げ夏を迎えた。石川は「初戦、大事なところを任せてもらった。負けられないと気持ちを入れて投げました。ノーヒットノーランよりも、チームが勝てたことがうれしいです」と胸を張った。

夏の大会は始まったばかり。「2四球が反省。チームの勢いを止めてしまいました。次はもっとテンポのいい投球をしたいと思います」と、反省も忘れない。島田監督は「下級生が出てきてくれるとうれしいですね」と、夏の初采配の勝利に笑顔。新戦力の活躍で、甲子園春、夏連続出場へ勢いをつけた。