北北海道では、滝川が中標津を9-8で下し、51年ぶりの勝利を挙げた。前回出場の19年まで出場8度連続だった初戦敗退をストップ。13安打で点の取り合いを制し、半世紀ぶりの白星をつかんだ。

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51年ぶりの白星を、滝川ナインはかみしめた。OBや関係者が待ちに待った70年以来の北大会勝利。畑瀬善信監督(46)は「ほんとによく選手たちがやってくれた。これまで長い間、野球部をつないでくださったOBの方々にもいい報告ができたのかなと思う。この1勝というのは、我々にとってもOBにとっても大きな1勝」と喜んだ。

シーソーゲームをものにした。1回に松村の適時打で先制。点の奪い合いで5-6と1点ビハインドの7回、主導権を奪った。3番松村の同点適時打。続く4番藤岡が左中間を破る決勝の適時二塁打。「左中間意識で今日は打席に入っていた。チャンスで打ててよかった」。さらに6番寺沢も適時二塁打でリードを2点に広げた。この試合で初めて2点差をつけ、9回の逃げ切り勝ちに結びつけた。

チームは春の地区代表決定戦でクラークに2-9の8回コールド負け。打てないと勝てないことを再確認した。選手間で、自宅など個人で毎日必ず10分素振りを継続することを決め、各自が取り組んだ。今春から4番に座る藤岡は「上からたたくという部分」と、侍ジャパンの広島鈴木誠也やヤクルト山田哲人の動画を参考に黙々とスイング。チーム13安打の成果にあらわれた。

中等学校野球から全国高校選手権に改称された48年に全道準優勝の歴史を持つが、近年では76年以降、北大会8度の初戦敗退。昨夏の独自大会でも北大会1回戦で敗れた。先輩たちから託されていた「北大会1勝」を結実させたが、続きはまだある。準々決勝では3大会連続甲子園を狙う旭川大高とぶつかる。藤岡は「うれしいのもあるけど、次の試合も勝ちたいという思いが強い。自分たちの野球をやっていきたい」。目の前の試合を全力で取りに行く。【山崎純一】